米国株ETFの中でも高配当銘柄として有名なSPYDについて解説します。
一番の魅力は、4%を超える(2019年9月期は4.48%)分配金利回り。
高配当ETFの中でも最も高い配当利回りで、私のポートフォリオの中心銘柄の1つにもなっています。
米国株ETFを中心とした高配当株への投資を始めたきっかけ、私のポートフォリオについてはこちらでまとめています。
SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF「SPYD」とは
SPDRは米国初のETFであり、世界最大のETFを提供するステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが提供するETFのブランド。
SPYDはSPDRシリーズの中でも、低コストかつ高配当のETFであるため近年人気となっている銘柄です。
ETFの特徴としては、S&P500銘柄のうち、高配当利回り上位80銘柄にほぼ均等投資した構成となっている点。
その中でも特筆すべきが不動産セクターの占める割合です。
後述しますが、業種別構成比率としては高い順に、米国REITを含む不動産に21.08%、一般消費財・サービスに14.22%、交易事業に12.82%となっています。
SPYやVYM、HDVといった他の高配当ETFとは大きく異なる特徴でしょう。
それでは、SPYDにおける具体的な5つのポイントを見ていきましょう。
- 構成銘柄
- 業種別構成比率(セクター比率)
- 高い分配金利回り
- 株価推移
- 低コスト
構成銘柄
SPYDを構成する上位10銘柄を見ていきましょう。(2019年9月)
銘柄名 | 業種 | 組入比率(%) | |
1 | COTY INC. CLASS A(コティ) | 生活必需品 | 2.24 |
2 | QUALCOMM INCORPORATED(クアルコム) | 情報技術 | 1.76 |
3 | XEROX CORPORATION(ゼロックス) | 情報技術 | 1.74 |
4 | TARGET CORPORATION(ターゲット) | 一般消費財・サービス | 1.44 |
5 | EDISON INTERNATIONAL(エジソン) | 公益事業 | 1.44 |
6 | GENERAL MILLS INC.(ゼネラル・ミルズ) | 生活必需品 | 1.42 |
7 | KINDER MORGAN INC CLASS P(キンダー・モルガン) | エネルギー | 1.40 |
8 | FORD MOTOR COMPANY(フォード・モーター) | 一般消費財・サービス | 1.40 |
9 | EATON CORP. PLC(イートン) | 資本財・サービス | 1.39 |
10 | WESTERN DIGITAL CORPORATION(ウエスタンデジタル) | 情報技術 | 1.39 |
SPYDが連動するS&P500高配当指数は、S&P500指数構成銘柄のうち、配当利回り上位80銘柄で構成され、1月と7月のリバランス時に各銘柄の構成比率を均等になるように調整されています。
1位は香水マーケットシェア世界第1位のコティ、2位はスマートフォンをはじめ多くの情報機器で利用されている半導体大手のクアルコム、3位は印刷機器のゼロックスです。アメリカ旅行では必ず行くターゲットも4位に入っています。
このように上位10銘柄の構成比率は15.62%。高配当銘柄を中心に構成されているため、通常のETFとは異なる銘柄へも投資が可能となります。
業種別構成比率(セクター比率)
業種(セクター) | 比率(%) |
不動産 | 21.08 |
一般消費財・サービス | 14.22 |
公益事業 | 12.82 |
エネルギー | 10.88 |
金融 | 10.05 |
情報技術 | 10.04 |
生活必需品 | 8.38 |
コミュニケーション・サービス | 4.60 |
素材 | 3.33 |
資本財・サービス | 2.45 |
SPYDの業種上位3位は、米国REITを含む不動産(21.08%)、一般消費財・サービス(14.22%)、公益事業(12.82%)となり、この3業種で50%近くを占めています。
不動産や一般消費財、電力・ガスなどは総じて安定した配当を期待させるセクターであり、インカムゲインを目標とした投資には最適なETFではないでしょうか。
高い分配金利回り
分配金は年に4回(3,6,9,12月)。直近の分配金は$0.447で分配利回りは4.48%と高水準。
ETF設定以来の平均利回りは4%を超えています。
2018年などの下落局面では分配金利回りが5%近くになったこともあります。
このような局面では積極的に購入したいところです。
直近の分配金は次の通り。
■2019
日付 | 分配金 |
2019/09/20 | 0.447676 |
2019/06/21 | 0.461955 |
2019/03/15 | 0.339422 |
合計 | 1.249053 |
■2018
日付 | 分配金 |
2018/12/21 | 0.44335 |
2018/09/21 | 0.45071 |
2018/06/15 | 0.376101 |
2018/03/16 | 0.348771 |
合計 | 1.618932 |
順調に分配金も増加しているのがわかります。
株価推移
株価の推移は以下の通りです。
設定された2015年から基本的には右肩上がりとなっています。
2018年・2019年などNYダウが最高値を更新するなど、好景気が続いていたので当然の結果ではありますが。
今後も世界景気・米国景気に左右はされるでしょうが、アメリカの経済成長率を考慮すると、10年単位上昇していく可能性が高いでしょう。
低コスト
ETFや投資信託への投資で気になるのが信託報酬などのコスト。
SPYDの総経費率は0.07%とかなり低コストで運用が可能。
このような高配当の米国株式・ETFへ広く投資できるETFが、この経費率はありがたい。
さらにSBI証券などは、NISA口座であれば取引手数料も無料。
SPYD分析まとめ
米国高配当銘柄に低コストで投資できるSPYD。
前述の通り、景気変動の影響を比較的受けやすい資本財・素材・金融のウェイトが低く、公益事業や一般消費財が多く、本来ミドルリスクと言われるREITが多く組み込まれている点で、高配当株ETFの中でもディフェンシブなETFとされています。
さらに、1口約40米ドルなので、少額から米国市場のポートフォリオを構築できるのが魅力。
価格や分配金は景気動向により変動もあるでしょうが、積極的に買い進めたい銘柄です。
分配金でさらにSPYDへ再投資していけば、間違いなく安定収入を生み出すものとなるに違いありません。
高い分配金利回りで不労所得となるインカムゲインを生み出す資産の1つに加えてみてはいかがでしょうか。
SPYDと合わせて高配当米国株ETFのVYM、米国に広く分散投資できるVTIへの投資もおすすめです。
SPYDをはじめとした海外株式・ETFへの投資は、手数料が安いSBI証券がおすすめです。



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