米国株ETFの中でも高配当銘柄として有名なVYM。
一番の魅力は3%を超える分配金利回りです(2021年11月は2.76%)。
たぱぞうさんの本でVYMを知ってからというもの、私の米国株ポートフォリオの中心銘柄となっています。
そんなVYMについて特徴や構成銘柄、過去・直近の配当利回りについてまとめます。
米国株ETFを中心とした高配当株への投資を始めたきっかけや運用成績は下記をご覧ください。
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高配当ETFのVYMとは?
VYMはバンガード社が提供する高配当の米国株ETF。
バンガードとは
米国ペンシルベニア州に本拠を置く世界最大級の運用会社。
「インデックス・ファンドの父」として知られる創業者のジョン・ボーグル(1929年~2019年)は1975年にバンガードを創立し、1976年に現在S&P 500インデックス・ファンドとして多くの人に知られる世界初のインデックス・ファンド「ファースト・インデックス・インベストメント・トラスト」を設定。
投資方針としては、FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指すETF。
High Dividend Yield Index(ハイディビデンド・イールド・インデックス)は、名前の通り米国の高配当銘柄で構成するというもの。
具体的には、大型株の中でも予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄から構成され、およそ400銘柄の米国株に投資しています。
SPYDと同様に低コストかつ高配当であるため、米国株ETF投資において人気の銘柄です。
そんなVYMに関して具体的な5つのポイントを見ていきましょう。
❶構成銘柄
VYMを構成する上位10銘柄。(2019年9月)
銘柄 | 業種 | 比率(%) |
---|---|---|
JPMorgan Chase & Co. | 金融 | 3.74 |
Johnson & Johnson | ヘルスケア | 3.27 |
Home Depot, Inc. | 小売 | 2.69 |
Procter & Gamble Co. | 消費財 | 2.62 |
Bank of America Corporation | 金融 | 2.42 |
Comcast Corporation | 消費者サービス | 1.96 |
Exxon Mobil Corp. | 石油・ガス | 1.92 |
Pfizer Inc. | ヘルスケア | 1.85 |
Cisco Systems Inc. | テクノロジー | 1.77 |
Verizon Communications Inc. | 通信サービス | 1.72 |
誰もが一度は聞いたことがある有名企業が並んでいます。
2019年~2021年と大きな変化はなく、コンタクトレンズ・医薬品で有名なジョンソン&ジョンソン、金融のJPモルガン、ガソリンスタンドでも有名な総合エネルギー企業のエクソンモービル、洗剤やパンパースを代表商品とするP&G、テクノロジー・通信系ではシスコシステムズやベライゾンが並びます。
VYMは上位10銘柄の割合は25%と、銘柄を絞りすぎることなく、高配当を目指しつつ幅広い分散投資を実現しています。
さらに、上位銘柄の多くは、米国だけでなくグローバル展開している企業なので、長期的も成長する可能性が高いETFだと考えられます。
❷業種別構成比率(セクター比率)
業種(セクター) | 比率(%) |
---|---|
金融 | 23.0 |
生活必需品 | 12.5 |
ヘルスケア | 12.3 |
資本財 | 10.0 |
一般消費財・サービス | 8.7 |
公益事業 | 7.9 |
エネルギー | 7.4 |
テクノロジー | 7.3 |
通信サービス | 6.6 |
素材 | 4.3 |
2019年・2021年ともに上位4位の「金融」「消費財」「ヘルスケア」「テクノロジー」が10%を超えています。
「金融」の比率が高く、「素材」「通信サービス」の比率が低いのが目立ちますね。
特に、2021年は金融の比率が大きくなりました。
個別銘柄としても上位であるジョンソン&ジョンソンをはじめとした「ヘルスケア」、P&Gを代表とする「一般消費財」は不況時にも強い、ディフェンシブなセクター。
一方で、「金融」「テクノロジー」「資本財」は不況時には弱いですが、好景気時には強いといった特徴があります。
このように、セクターとしてもバランス良く構成されているため、どのような状況でも安定した運用が可能となっている米国株ETFです。
SPYDは「不動産」や「公益事業」の比率が高く、同じ高配当米国株ETFとしても構成が異なるので、合わせて投資するには組み合わせが良いETFではないでしょうか。
❸高い分配金利回り
分配金は3月/6月/9月/12月の年4回。
直近の分配金は$0.749と高い水準をキープしていますが、分配利回りは2.76%と下がっています。
米国株の堅調に引っ張られ、VYM自体も価格が$110を超えるなど上昇しているためです。
過去の分配金や利回りの実績を見ますと、分配金利回りは3%前後。
現在は多少割高感が出ていますが、株価に合わせて増配により利回りも戻ってくると考えられます。
年 | 年末株価 | 年間分配金 | 利回り |
---|---|---|---|
2020年 | $91.51 | $2.91 | 3.18% |
2019年 | $93.43 | $2.84 | 3.04% |
2018年 | $77.99 | $2.65 | 3.40% |
2017年 | $85.63 | $2.40 | 2.80% |
2016年 | $75.77 | $2.21 | 2.91% |
平均 | $2.60 | 3.07% |
2016年末が$75で現在は$110超えとおよそ1.5倍に。
ETFでもたった数年でここまでキャピタルゲインを得られるのは魅力的です。
❹株価推移

一時大きく下げているところもありますが、基本的には右肩上がりとなっていることがわかります。
近年はNYダウが最高値を更新するなど好景気が続いているので、SPYD同様に右肩上がりとなっています。
今後も世界景気・米国景気に左右はされるでしょうが、アメリカの経済成長率を考慮すると、こちらも同じく上昇していく可能性が高いでしょう。
❺低コスト
ETFや投資信託への投資で気になるのが信託報酬などのコスト。
VYMの総経費率は0.06%とかなり低コストで運用が可能。
長期投資をする際は信託報酬などの手数料が高いとパフォーマンスを徐々に悪化させるので、コストが低い銘柄を選ぶようにしましょう。
SBI証券は、NISA口座であれば取引手数料も無料ですのでおすすめです。
VYM投資:よくある質問
買い時はいつ?
株価推移の通り現状は右肩上がりの株価となっています。
分配金利回りが3%を超えたタイミング、特に過去高値付近である利回りである3.2%を超えると購入タイミングと見てよいでしょう。
VYMにおいて配当収入を求めるのであれば、400銘柄で分散投資されているので多少の価格下落でも怯まず買い増しすることを心がけましょう。
VYM分析まとめ
米国高配当銘柄に低コストで投資できるVYM。
投資先として申し分のないETFです。
他の高配当米国株ETFであるHDV(構成銘柄がおよそ80銘柄)と比較しても、VYMは構成銘柄(400銘柄)が多いため、より分散投資が実現できます。
また、高配当米国株ETFとして投資しているSPYDと比較しても、セクター比率が異なるため、SPYDと組み合わせて投資するにも最適なETFとなります。
ETFは個別株と比較して刺激は少ないですが、長期投資を行うには分散性・成長性ともに安心して投資することができる商品です。
SPYDと合わせて積極的に買い進め、さらに配当再投資で資産構築を行いたい銘柄。
高い分配金利回りで不労所得となるインカムゲインを生み出す資産の1つに加えてみてはいかがでしょうか。
個人的にオススメのETFは、高配当米国株ETFと広く分散投資ができるSPYD・VYM・VTIの3つ。
運用実績も公開していますので、銘柄分析記事と合わせてご覧ください。
米国株ETFよりも高い利回りとなるFTSE100の積立投資も絶賛運用中。
VYMの2.5倍、SPYDの2倍である利回り8%を比較的安全に運用できる投資法です。

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