米国株ETFの中でも高配当銘柄として有名なVYMについて解説します。
一番の魅力は、3%を超える(2019年9月期は3.16%)分配金利回り。
高い配当利回りで、私のポートフォリオの中心銘柄の1つにもなっています。
米国株ETFを中心とした高配当株への投資を始めたきっかけ、私のポートフォリオについては以下をご覧ください。
配当に着目したバンガードの米国株ETF『VYM』とは
VYMはバンガード社が提供する高配当米国株ETF。
バンガードとは
米国ペンシルベニア州に本拠を置く世界最大級の運用会社。「インデックス・ファンドの父」として知られる創業者のジョン・ボーグル(1929年~2019年)は1975年にバンガードを創立し、1976年に現在S&P 500インデックス・ファンドとして多くの人に知られる世界初のインデックス・ファンド「ファースト・インデックス・インベストメント・トラスト」を設定。
投資アプローチとしては、FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指すETFです。
High Dividend Yield Index(ハイディビデンド・イールド・インデックス)は、名前の通り米国の高配当銘柄で構成するというもの。
具体的には、大型株の中でも予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄から構成されていて、およそ400銘柄の米国株に投資しています。
SPYDと同様に低コストかつ高配当であるため、米国株ETFにおいて人気の銘柄です。
そんなVYMに関して具体的な5つのポイントを見ていきましょう。
- 構成銘柄
- 業種別構成比率(セクター比率)
- 継続的な高い分配金利回り
- 株価推移
- 低コスト
構成銘柄
VYMを構成する上位10銘柄を見ていきましょう。(2019年9月)
銘柄名 | 業種 | 組入比率(%) | |
1 | Johnson & Johnson(ジョンソン&ジョンソン) | ヘルスケア | 3.6 |
2 | JPMorgan Chase & Co.(JPモルガン) | 金融 | 3.5 |
3 | Exxon Mobil Corp.(エクソンモービル) | 石油・ガス | 3.2 |
4 | Procter & Gamble Co.(P&G) | 消費財 | 2.7 |
5 | AT&T Inc.(AT&T) | 通信サービス | 2.4 |
6 | Cisco Systems Inc.(シスコシステムズ) | テクノロジー | 2.4 |
7 | Pfizer Inc.(ファイザー) | ヘルスケア | 2.4 |
8 | Chevron Corp.(シェブロン) | 石油・ガス | 2.3 |
9 | Verizon Communications Inc.(ベライゾン) | 通信サービス | 2.3 |
10 | Merck & Co. Inc.(メルク) | ヘルスケア | 2.1 |
誰もが一度は聞いたことがある有名企業が並んでいますね。
1位はスキンケアやコンタクトレンズ・医薬品で有名なジョンソン&ジョンソン、2位は金融のJPモルガン、3位はガソリンスタンドでも有名な総合エネルギー企業のエクソンモービル、そして4位は洗剤やパンパースを代表商品とするP&Gです。
VYMは、保有している上位10銘柄の割合は27%程度と、銘柄を絞りすぎることなく、高配当を目指しつつ幅広い分散投資を実現しています。
さらに、上位銘柄の多くは、米国だけでなくグローバル展開している企業なので、長期的も成長する可能性が高いETFだと言えるでしょう。
業種別構成比率(セクター比率)
業種(セクター) | 比率(%) |
金融 | 18.4 |
消費財 | 13.9 |
ヘルスケア | 13.0 |
テクノロジー | 10.6 |
消費者サービス | 9.5 |
石油・ガス | 9.2 |
公益 | 8.5 |
資本財 | 8.3 |
通信サービス | 4.9 |
素材 | 3.7 |
上位4位の「金融」「消費財」「ヘルスケア」「テクノロジー」が10%を超えています。
「金融」の比率が高く、「素材」「通信サービス」の比率が低いのが目立ちますが、全体としては比率にあまり差がなく、幅広いセクターで構成されています。
特に、個別銘柄としても上位であるジョンソン&ジョンソンをはじめとした「ヘルスケア」、P&Gを代表とする「消費財」は不況時にも強い、ディフェンシブなセクター。
一方で、「金融」「テクノロジー」「資本財」は不況時には弱いですが、好景気時には強いといった特徴があります。
このように、バランス良く構成されているため、どのような状況でも安定した運用が可能となっている米国株ETFです。
SPYDは「不動産」や「公益事業」の比率が高く、同じ高配当米国株ETFとしても構成が異なるので、合わせて投資するには組み合わせが良いETFではないでしょうか。
高い分配金利回り
分配金は年に4回(3,6,9,12月)。直近の分配金は$0.7864で分配利回りは3.16%と高水準。
ETF設定以来の平均利回りは3%を超えています。
過去5年間における分配利回りは2.6%〜3.5%の間で推移しています。
現在の利回りは過去5年の平均を少し上回る状況。
2009年には配当利回り6.29%と最高の利回りを記録している時期があります。時期的にリーマンショックの影響がかなり強く出ている時期ですね。
直近の分配金は次の通り。
■2019
日付 | 分配金(ドル) |
2019/09/24 | 0.7864 |
2019/06/17 | 0.6247 |
2019/03/25 | 0.6516 |
合計 | 2.0627 |
■2018
日付 | 分配金(ドル) |
2018/12/24 | 0.7388 |
2018/09/26 | 0.6718 |
2018/06/22 | 0.6302 |
2018/03/26 | 0.6084 |
合計 | 2.6492 |
順調に分配金も増加しているのがわかります。
株価推移
株価の推移(10年間)は以下の通り。
一時大きく下げているところもありますが、2010年から完全に右肩上がりとなっています。
近年はNYダウが最高値を更新するなど、好景気が続いていたので、SPYDのレートと同様に右肩上がりが当然の結果ではありますが。
今後も世界景気・米国景気に左右はされるでしょうが、アメリカの経済成長率を考慮すると、こちらも同じく上昇していく可能性が高いでしょう。
低コスト
ETFや投資信託への投資で気になるのが信託報酬などのコスト。
VYMの総経費率は0.06%とかなり低コストで運用が可能。
長期投資をする際は信託報酬などの手数料が高いと、パフォーマンスを徐々に毀損するので、
しっかりと総経費比率が低い銘柄を選ぶようにしましょう。
なお、SBI証券は、NISA口座であれば取引手数料も無料ですのでおすすめです。
VYM分析まとめ
米国高配当銘柄に低コストで投資できるVYM、投資先として申し分のないETFです。
他の高配当米国株ETFであるHDV(構成銘柄がおよそ80銘柄)と比較しても、VYMは構成銘柄数が多いため、より分散投資が実現できています。
また、高配当米国株ETFとして投資しているSPYDと比較しても、セクター比率が異なるため、SPYDと組み合わせて投資するにも最適なETFとなります。
ETFは個別株と比較して刺激は少ないですが、長期投資を行うには分散性・成長性ともに安心して投資することができる商品です。
SPYDと合わせて積極的に買い進め、さらに配当再投資で資産構築を行いたい銘柄。
高い分配金利回りで不労所得となるインカムゲインを生み出す資産の1つに加えてみてはいかがでしょうか。
個人的にオススメできる(私のポートフォリオに加えている)ETFは、高配当米国株ETFと広く分散投資ができるSPYD・VYM・VTIの3つです。


VYMをはじめとした海外株式・ETFへの投資は、SBI証券を利用して手数料等のコストを抑えましょう。




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