一般的に年収1000万円を超えると高所得者と思われることが多いですが、果たして本当にそうでしょうか。
年収1000万の手取り額はおよそ700万~800万、単純計算で1ヶ月あたり60万前後となります。
金額だけ見れば十分に思えるでしょう。
しかし、
- 少し良いモノの利用(家、車、服、食事)
- 外食の増加
- 子供の教育費
- 海外旅行
など『少しの贅沢』を求めると想像以上にゆとりのない生活になってしまいます。
そして、年収1000万あたりになると社会保険料や所得税・住民税の増加だけでなく、子供がいる場合など各手当は所得制限により、減額または受けることができなくなります。
- 児童手当の減額
- 配偶者控除の廃止(1220万円から)
- 乳幼児等医療費助成制度の減額など
共働きの場合、子供を保育園に預けることになりますが、保育料も年収によって決まるため自治体によっては10万円以上になることもあります。
このように、サラリーマンとしてようやく年収1000万に到達したとしても、厳しい現実が待っているのです。
私自身も1000万円を超えたあたりから、手取り額が中々増えないことを痛感し、手取り額を増やす方法を模索しはじめました。
この記事では、私が実践している手取り額の上げ方・節税方法について紹介したいと思います。
いきなり結論ですが、節税できる
必ずやるべき節税方法
まずは誰でも簡単に行える方法です。
状況にもよりますが、年末調整時に書類を添付するだけでも可能なので、やっていない方は今すぐ取り組むべきです。
ふるさと納税
ふるさと納税とは、応援したい自治体に寄付ができる制度のことで、手続きを行うと、所得税や住民税の還付・控除を受けることができます。
寄付を行なった自治体によっては、特産品など返礼品を貰うことができるので、年収毎に決まった上限額までの寄付であれば実質2,000円のみで寄付額の3割~4割に相当する返礼品を貰うことができるお得な制度です。
家族構成にもよりますが、年収1000万円であればおよそ17万円が上限額のため、2000円の実費で7万円相当の返礼品を貰うことができます。
1年間で寄付先が5自治体以内であれば、「ワンストップ特例制度」の利用が可能となり、確定申告が不要になるので、より簡単に行うことができるようになっています。
ふるさと納税は、高所得者にとって唯一と言っていいほどメリットのある仕組みです。
2019年からは返礼品の規制が厳しくなりますが、それでもメリットは大きいので今年からでも行うようにしましょう。
個人型確定拠出金年金「iDeco(イデコ)」
個人型確定拠出年金とは、自分で作る年金制度のことです。
加入者が毎月一定額を積み立て、定期預金・保険・投資信託といった金融商品で運用し、60歳以降に年金や一時金で受け取ります。
なお、60歳まで引き出すことはできないところが注意ポイントです。
iDecoは次のように拠出時、運用時、受取時と3つの節税メリットがあります。
- 拠出:積立金額すべてが「所得控除」の対象となり、所得税・住民税が節税できます。
- 運用:運用で得た利益が「非課税」になります。
- 受取:受け取るとき「公的年金等控除」「退職所得控除」の対象です。
私は年間30万円を拠出しているため、その金額全て(30万円)の所得控除があり、節税の恩恵を受けています。
わかりやすく年収1000万の場合において、確定拠出年金の有無で比較したいと思います。
【確定拠出年金を行わない場合】
給与支払額が1000万円の場合、給与所得控除額は220万円
課税所得=1000万円-220万円-38万円=742万円
所得税=742万円×23%-63万6000円=107万600円
住民税=742円×10%=74万2000円
(所得税+住民税)=181万2600円【確定拠出年金を毎月2万3000円拠出した場合】
課税所得=1000万円-220万円-38万円-27万6000円=714万4000円
所得税=714万4000円×23%-63万6000円=100万7120円
住民税=714万4000円×10%=71万4400円
(所得税+住民税)=172万1520円181万2600円-172万1520円=9万1080円の節税効果
生命保険料控除(一般生命保険、介護医療保険、個人年金保険)
生命保険料控除とは、生命保険や医療保険などに加入していて保険料を支払っている人が受けられる税制上の優遇制度のことです。
1年間に支払った生命保険料額をもとに控除額が計算され、結果として所得税や住民税が安くなります。
各控除区分ごとに計算し合算したものが控除額となります。
所得税は3控除区分の合計が12万円、住民税では合計7万円が最大額となり控除を受けることができます。
生命保険自体への加入が必要となりますので、こちらは必要に応じてでもよいかもしれませんが、積みたて型の生命保険などもありますので、一般生命保険や個人年金保険は加入しておいてもよいかと思います。
1000万円を超えてくると、ふるさと納税、個人型確定拠出年金、生命保険料控除など1年分の節税・控除額でもまとまった金額になってきます。
ましてや10年、20年と継続されるものですので、是非おすすめします。
インターネット上では、このような節税はよく公開されています。
他には「特定支出控除」や「副業の赤字化による節税」などの記述も多いかと思います。
この2つについて簡単に私見を述べたいと思います。
まず特定支出控除ですが、業務に使う資格や研修費、衣類・図書の費用などを経費にすることができるという制度ですが、申請できる金額が多かったり、会社から証明書を貰う必要があったりとハードルが非常に高いです。
そもそも業務に使うものであれば、会社の経費で落ちることが多いはずです。
次に副業の赤字化による節税ですが、既に何か趣味の延長で収入となっていたり、不動産を所有しているなどであれば活用するのも1つの手かもしれません。
ただし、赤字化することを目的にワンルームマンションを購入するというのはおすすめできません。
不動産投資を行うのであれば、リスクとリターンから物件を検討し、基本は赤字にならないような物件へ投資を行うべきです。
結果として赤字になってしまうのは仕方がありませんが、そうでなければ後述する資産運用へ資金を当てた方がリスクが低くリターンが大きくなること間違いありません。
節税だけでは厳しい現実!資産運用で収入を増やそう
ここからは節税だけでなく、資産運用による収入の増加やそれに伴う節税などについて解説します。
資産運用ですが、いきなり2倍・3倍と資産が増えるものはなかなかありません。
数%の運用からコツコツと増やしていき、複利効果を狙うべきです。
そのためには、少しでも早い時期から取り組むことが資産を増やす上で重要になります。
自動売買による資産運用
年収1000万を超える場合には是非検討してもらいたいのが、FXおよびCFDの自動売買による資産運用です。
1000万の収入がなくとも、投資へ回すことができる余剰資金(最低でも50万円以上)がある方は、是非検討していただきたいです。
今後、社会保険料負担割合の増加、消費税をはじめとした各種税金の増加が予定または予想され、ますます手取り額は減ること間違いありません。
このような環境で、ゆとりのある生活を送るには節税で支出を抑えつつ、収入を増やしていくしかありません。
FXやCFDの運用はレバレッジを効かせるため、一般的な投資信託などと比較するとリスクは高くなります。
しかし、リスク管理をしっかりと行うこと、トラリピやループイフダンという自動売買手法を利用することで、年利5%~10%をローリスクで運用することができます。
実際に私はここ数年、年利6%~10%で運用を行なっており、運用益に対しても確定申告により納税しています。
ただし、資産運用を行う上で必要となる次の費用は経費として計上しており、ここでもしっかりと節税対策を実施しています。
- インターネット代*
- 携帯電話代*
- 専用パソコン代*(リスク管理作業、売買発注、確定申告、情報収集などで利用)
- インク代
- コピー用紙、筆記用具代
- MoneyForwardなどの資産管理ソフト(アセットアロケーションの検討ツールとして)
- Evernote、Dropboxなどのサブスクリプションサービス*(リスク管理・取引記録メモの保存)
「*」が付いているものはプライベート利用とで、利用頻度に応じて按分した金額を計上。
FX、CFDの必要経費について。パソコンやスマホは経費になるか?
資産運用に関する詳細はこちらをご覧ください。
クレジットカードの活用
クレジットカード支払い利用されていますでしょうか。
私はカード払いにできるものは全て(コンビニでの少額決済、生命保険、固定資産税、車の重量税など)クレジットカード払いにしています。
理由はポイント(マイル)が貯まるからです。
ポイントやマイルを貯めたところで?、と思われているアナタ、ポイントを侮ってはいけません。
結論から言いますと、クレジットカードの利用金額にももちろん関係しますが、2年に1度、家族4人でハワイ旅行に行くということも全く難しい話ではありません。
マイルとは?という初歩的な内容からマイルが貯まるおすすめクレジットカードも記事にまとめていますので、合わせて確認してみてください。
こちらの税金・節税関連書籍もおすすめです。
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